管理職の職務経歴書【9割が間違い!】プレイヤーとはココが違う10選”

あなたは?管理職とプレイヤーの職務経歴書の違いが分かりますか?

管理職の職務経歴書は、プレイヤーの職務経歴書とは“見られ方”も“書き方”も、まったく違います
しかし、そのことを知らないまま職務経歴書を書いて損をしてしまっている方がとても多い。

これは元面接官として多くの人のキャリア支援をしてきた実感です。

「売上を上げた」「チームをまとめた」
は素晴らしい実績ですが、管理職としたらそれだけでは伝わりません。

職務経歴書で、管理職とプレイヤーの違いを表現できなければ、あなたの職務経歴書は正当な評価を受けられないまま、書類選考は不合格になります。

これは、実力不足ではなく、“伝え方の設計ミス”です。

本記事では、プロキャリアコーチとして数多くの管理職の転職支援を行ってきた立場から、
管理職の職務経歴書が、なぜプレイヤー層とは違うのか、何をどう書けば伝わるのかを、
10の視点で具体的に解説します。

「ちゃんとやってきたのに、ちゃんと評価されない」——
そんなもどかしさを感じている方が、損をしない職務経歴書、ここから始めていきましょう。

目次

職務経歴書では“管理職とプレイヤーの書き方”はまったく違う

▼管理職の職務経歴書に記載すべきこと

転職活動で職務経歴書を書こうとしたとき、
「この年齢で、何をどう書けばいいのか分からなくなった」

そんなご相談を、管理職経験者の方からよく受けます。

部下を持ち、チームをまとめ、責任も果たしてきた。
それなのに、いざ紙に書こうとすると、自分のことがうまく言葉にできない。

でも、これは「実績が足りないから」ではありません。
原因はとてもシンプルで、プレイヤーと同じ書き方をしてしまっているからです。

職務経歴書は、“何をやってきたか”を書くものではありません。
“どういう視点で動いてきたか”を伝えるものなんです。

プレイヤーは「実行者」としての役割が中心です。
たとえば、「新規営業で年間120%の成果を出しました」「製造ラインのトラブル対応を効率化しました」など、
「自分でやったこと」を具体的に伝えることが、説得力になります。

一方で、管理職のあなたに求められるのは、“その成果の背景”です。
つまり、「誰が、どんな状態で、どう動けるように整えたのか」という、
いわば“見えない部分の設計や判断”を伝えることこそが、本当の意味での自己PRになります。

▼そもそも管理職の「成果の出し方」とは?

たとえば、チームが売上を120%達成した経験があったとします。
プレイヤーなら「新規顧客を○社開拓し、売上を前年比120%に伸ばした」と書けます。

でも、管理職として関わっていたなら、
「育成や評価制度の見直しにより、チーム全体の営業力が底上げされ、結果として前年比120%を達成」といった書き方のほうが、あなたの役割が伝わります。

つまり、成果そのものよりも、「どうやって成果が出る状態をつくったか」が大事なんです。

この視点がないまま、プレイヤーと同じテンプレートで書いてしまうと、
本当は価値のある経験も、「どこにでもいる管理職」として見えてしまいます。

▼管理職とプレイヤーの「違い」を解説します

マルキ

この記事では、「職務経歴書の管理職とプレイヤー“10の違い”」を紹介します。

「何をやってきたか」は変えられません。
でも、「どう伝えるか」は変えられます。

あなたのこれまでの経験を、そのまま、正しく、伝わる形に変えていく。
そのための土台として、まずは「管理職とプレイヤーは、職務経歴書の書き方がまったく違う」ということを、しっかり意識しておいてください。

【職務経歴書の違い①】管理職は「チームの実績」vsプレイヤーは「個人の実績」

▼管理職の職務経歴書に必要なのは「チームで達成した実績」

「部下の成果って、自分の実績として書いてもいいんでしょうか?」

マルキ

これは、管理職の方からよく聞かれる質問です。


でも、その問いの裏には、“自分でやったことしかアピールにならない”という前提があります。
けれど、もうあなたは「プレイヤー」ではありません。
あなたの仕事は、“自分で成果を出すこと”から、“成果が出る状態をつくること”へと変わっています。

たとえば、部下が売上目標を達成したとき。
あなたがやったのは、「目標を見直したこと」かもしれないし、「評価制度を改善したこと」かもしれない。
あるいは、「商談の進め方を標準化したマニュアルをつくったこと」かもしれない。

どれも、表面には見えにくい仕事です。
でも、そこにこそ管理職の本質的な価値があるのです。

▼「仕組み化」して得た成果は管理職の実績で語るべきNo. 1

プレイヤーの職務経歴書では、「私は〇〇をして、△△という成果を出しました」という“点”のエピソードが力になります。
一方、管理職が意識したいのは、“線”や“面”です。

つまり、「何を仕掛け、どんな仕組みを整え、どんな人たちをどう動かして成果を生んだか」という “構造の説明”が必要なんです。

たとえばこんなふうに書けるかもしれません。
「営業力のばらつきを改善するため、チーム内にロールプレイング制度を導入。教育リーダーを任命し、進捗管理を仕組み化したことで、平均受注率が20%改善。チーム全体の売上前年比125%達成につながった。」

自分で営業に出たわけではなくても、
「成果が出る環境をつくった人」として、自信を持って書いていいんです。

▼「仕組み化」のプロセスまで記載できると説得力が増す

もちろん、管理職の仕事は目に見えづらいものも多いです。
それだけに、「何を考えて」「なぜその方法を選び」「どう仕組みにしたのか」
というように、“思考の過程”も含めて言語化すると、ぐっと説得力が増します。

逆に、「リーダーとしてまとめました」「統括しました」だけでは、薄く伝わってしまう。
あなたがやってきたのは、“チームの背後にいる設計者”としての仕事。
それを、一つひとつ、見える形にしてあげることが大切なんです。

【職務経歴書の違い②】管理職は「チーム力アップ」vsプレイヤーは「チームへの貢献」

プレイヤーは「個人の成果で貢献」をわかりやすく見せる

プレイヤー層の職務経歴書で大切なのは、「自分がどう動いて、どんな成果を出したか」をストレートに伝えることです。
たとえば、

  • 営業売上を前年比120%に拡大
  • 在庫を30%削減し、棚卸の効率化に成功
  • 顧客対応のリードタイムを50%短縮

といった実績は、数字があることで信頼性がぐんと高まります。
読み手にとっても、「この人なら戦力になる」という判断がしやすく、職務経歴書としての説得力も増します。

▼管理職は「チームの力をどう底上げしたか」を言語化する

一方で、管理職の評価軸は少し違います。

マルキ

管理職はチーム全体をどう変えたか、どう成長させたかといった“チーム全体への影響”が問われます。

たとえば──

  • チーム再編で士気が低下していた状況から、目標の再設計と1on1面談を導入し、半年でモチベーション指標が向上
  • 離職率が高かった部署にOJT体制を構築し、1年後に定着率が30%改善
  • トラブルの多かった部門で業務フローを見直し、現場と信頼関係を構築

このように、数字で測りづらいけれど確かに“チームの力”を押し上げた経験こそ、管理職の価値となります。

▼「数字+プロセス」のセットで語ることで伝わる

管理職の職務経歴書では、定性的な成果も「変化のストーリー」として語ることが重要です。
たとえば、

「新人の離職が続いていたチームにおいて、育成計画とOJT制度を再構築。月1の1on1面談を導入し、現場責任者の巻き込みを強化。結果、定着率が60%→85%に改善。」

このように、背景→施策→変化の順で記述することで、チームへの働きかけが立体的に伝わります。

▼職務経歴書で管理職の実力を「人と組織を動かす力」で表現しよう!

売上アップやKPI達成といった「結果」ももちろん重要です。
でも、それだけでなく、

  • 現場の意識を変えた
  • 混乱を収束させた
  • チームが前向きに動き出した

こうした“変化の起点”となったエピソードは、管理職としての評価を大きく高めます。
あなたがつくってきたチームの変化──それを、職務経歴書でしっかり伝えていきましょう。

【職務経歴書の違い③】管理職は「強みの領域」VSプレイヤーは「スキルセット」

▼プレイヤーの職務経歴書は「スキルと経験の幅」を見せるスタイル

プレイヤーの職務経歴書では、「自分ができること」「経験してきた業務の幅」を丁寧に書くことが評価につながります。

たとえば、
・経理業務全般に対応できる
・顧客対応から提案営業まで幅広い実績がある
・Excelやシステム操作に強い

といったスキルセットが、「この人は安心して任せられそう」という判断材料になります。

言いかえれば、“できることをなるべく網羅的に伝える”スタイルです。

▼多様な経験を持つ管理職の職務経歴書は「一言で表すキャリアの軸」が必要

一方で、管理職の職務経歴書においては、「どんな仕事をどれだけ幅広く経験してきたか」よりも、

マルキ

「一言で何ができる人なのか」が重視されます。

というのも、管理職層はそもそも経験の幅が広いのは前提条件
それよりも大切なのは、「この人をひとことで言うなら、どんな存在か?」というキャリアの象徴的な表現です。

たとえば、
・「人材育成の仕掛け人」
・「収益改善のプロ」
・「事業立ち上げ請負人」

などのように、“○○してきた人”という言語化があることで、
採用側にとっても「この人をどう活かすか」が一気にイメージしやすくなるのです。

▼管理職の職務経歴書は「強みで貫かれたストーリー構成」を作る

この“ひとことで言える強み”を支えるのが、職務経歴書のストーリー構成です。

たとえば、
・「一貫して“人材育成”に取り組んできたキャリア」
・「赤字部門を建て直し続けてきた“改善屋”としての実績」
・「新規事業の立ち上げを通じて、変化を仕掛けてきた経験」

このように、過去の経験を「どんなテーマで一貫しているのか?」という軸で構成すると、
あなたのキャリアが、ただの“経験の羅列”ではなく、“物語を持った道のり”として伝わるようになります。

【職務経歴書の違い④】管理職は「部門の壁を超える」VSプレイヤーは「部門の効率を上げる」

▼プレイヤーは“自部門の中で完結する業務”が中心

プレイヤーの多くは、特定の部署・チームのなかで業務を完結させる役割を担っています。
経理であれば経理、営業であれば営業。その中で「成果を出す」「上司の期待に応える」ことが主なミッションです。

そのため、職務経歴書でも、

  • 業務の正確性
  • スピード
  • 過去に任された仕事の幅

などを記載することで、十分に評価されます。
担当範囲が明確だからこそ、「深さ」と「着実さ」が伝われば、それが強みになるのです。

▼管理職は“部署の枠を超えた連携”をいかに仕掛けたか

一方で、管理職は業務の“範囲”がまったく異なります。

マルキ

むしろ「部署の枠におさまらない仕事」こそが、管理職に期待される領域です。

たとえば──

  • 開発・営業・生産部門の連携を図って新商品の立ち上げを推進
  • 経理・人事と連携しながら、業績評価制度の改善を主導
  • 海外拠点と協業しながらグローバル展開の準備を進行

といったように、“人”も“部門”も“テーマ”も、複数をまたいで巻き込んでいく力が求められます。

▼「壁を越える仕事」を書けるかが管理職の分かれ道

この「部署の壁を越える仕事」が、実は書類で評価されやすいポイントです。
なぜなら、書類選考の段階では「この人が組織にどんな波を起こしてくれるか」を想像してもらう必要があるからです。

ですので、以下のような表現はとても効果的です:

  • 「他部署の業務理解を深めるために、現場視察を企画」
  • 「現場と経営の間に立ち、業務改善案を調整・提案」
  • 「複数部門の課題を統合し、業務プロセスを再設計」

どれも、“壁を越える力”があるからこそできたことです。

▼あなたの越えてきた「壁」を、職務経歴書でちゃんと見せてください!

きっとあなたも、
「これは本来、自分の担当ではないけど…」という場面に立ち会ってきたはずです。
でも、そのときに「誰かがやらなきゃ」と一歩を踏み出した経験があると思います。

その一歩こそ、管理職としてのあなたを象徴する出来事です。
職務経歴書には、そういった「壁を越えて、調整し、実行した経験」を、できるだけ具体的に書いてください。

それは企業にとって、“この人なら、組織を一歩進めてくれる”という期待につながります。

【職務経歴書の違い⑤】管理職は「選んで書く」VSプレイヤーは「全部書く」

▼プレイヤーは「時系列」で価値を見せる

プレイヤーの場合、これまでに関わったプロジェクトや担当業務を、時系列にそって丁寧に書くことで、その人の実力や伸びしろが伝わります。

  • 「1年目は〇〇を担当し、2年目から△△に携わった」
  • 「上司のサポートを受けながら、徐々に任される業務が増えていった」

というように、“成長のストーリー”がそのまま価値になります。

書類においては「何をやってきたか」の網羅性が重視されるため、細かく積み上げていくほど、評価の対象になるのです。

▼管理職は「再現性」で価値を見せる

マルキ

一方、管理職の職務経歴書は「すべてを語る場」ではありません。

むしろ、「何を選び、何を削ったか」にセンスが表れます。

たとえば──

  • 10年で20のプロジェクトを経験していても、応募先企業に関係のある3つに絞る
  • 「昔やったこと」よりも、「今も再現できる成果」を優先して書く
  • 「肩書き」ではなく、「自分が仕掛けてきた変化」を切り取って伝える

管理職に求められるのは、“この人が次の会社でも成果を出せるか”という再現性。
つまり、ただの“経歴の紹介”では足りません。

▼「企業との親和性」を意識した強みの“選び方”が鍵

管理職は「経験が豊富」というだけでは評価されません。
むしろ、経験が多すぎて“結局どんな人なの?”と伝わりにくくなるケースもあります。

だからこそ大事なのが、「応募先企業の状況と、親和性のある経験だけを書く」という意識です。

  • ベンチャー企業なら「ゼロから仕組みを作った経験」
  • 大企業なら「組織を動かした経験」「合意形成の工夫」
  • 外資系なら「英語での交渉」や「数値責任を負った実績」

こうした“相手のニーズに寄せた選択”ができると、職務経歴書は格段に伝わりやすくなります。

▼職務経歴書で「全部語りたい気持ち」とうまく折り合いをつける

長いキャリアがあると、つい「これも伝えたい」「あれも実績だ」と情報を盛り込みたくなります。

でも、書類を見る側(採用担当)は、その全てを読み取る時間も余裕もありません。

だからこそ、「伝えたいことを減らす」ことが、実は一番の親切なのです。

あなたのキャリアの中で、“この会社にとって価値があること”は何なのか。
そこに集中して、情報を削ぎ落とす。
それは「見せたい自分」と「必要とされる自分」の交差点を探す作業です。

【職務経歴書の違い⑥】管理職は「組織の動かし方」VSプレイヤーは「仕事のこなし方」

▼プレイヤーは「任された仕事をどうこなしたか」を書く

プレイヤーの職務経歴書では、自分が手を動かして担当した業務内容と、その成果をできるだけ具体的に書くことが重視されます。

たとえば、

  • 「受発注システムの運用を担当し、エラー率を5%削減」
  • 「月次レポート作成を一人で完結し、上司から評価された」

といったように、「何を任され、どう取り組み、どんな結果になったか」という実務と成果の直結がポイントです。

この場合、「推進」「統括」などの言葉はあまり使われず、もっと具体的な業務単位で記載することが多くなります。

▼管理職は「人と仕組みをどう動かしたか」を言語化する

対して、

マルキ

管理職に期待されるのは、単に“自分がやったこと”ではありません。

  • 部下に任せることを判断し、任せきる力
  • 仕組みを整えて、成果が出る仕掛けを構築する力
  • 育成と統率のバランスを取りながらチームを運営する力

こういった「人を通して成果を出す力」こそ、管理職としての実力です。

でもこの力は、“マネジメントしました”だけでは伝わりません。

▼「どう変えたか」「何を残したのか」で語るのが管理職

たとえば「チームをマネジメントした」ではなく、

  • 「部門横断での連携が弱かった体制を、定例の合同MTGを設計し月次改善サイクルを定着させた」
  • 「若手の離職率が高かった部署で、1on1制度を導入し、1年後には定着率90%を達成」
  • 「業務属人化を改善するため、全社のマニュアル化を推進し、引き継ぎの効率が向上」

など、“仕組み・人・文化”にどう影響を与えたのかを表現することで、読み手に伝わる職務経歴書になります。

▼職務経歴書はSTAR構文を使い説得力をあげよう

「統括」「推進」「管理」「調整」──
これらの言葉は管理職の職務経歴書でよく使われますが、言葉だけが先行してしまうと、「それって結局、何をしたの?」と伝わらないことが多いんです。

管理職の実力は、“抽象語を避ける”のではなく、“抽象語の中身を具体的に構造化して見せること”で伝える必要があります。

たとえば、以下のように構造を明示するだけで、ぐっと説得力が上がります。

  • 【背景(S)】:どんな課題があったのか
  • 【行動(T/A)】:どのように取り組み、何を仕掛けたのか
  • 【結果(R)】:その結果、何が変わったのか

これはいわゆる「STAR構文」と呼ばれるフレームですが、管理職のように“自分が直接手を動かしていない成果”を伝えるには、非常に効果的です。

単に「統括した」「改善した」ではなく、
「どんな環境を整え、どんな文化を根づかせ、どう変化を生んだのか」
──そこまで語ってはじめて、“仕組みをつくる人”としての輪郭が浮かび上がります。

職務経歴書では、「何をしたか」ではなく「どう変えたか」へ。
それが、管理職ならではの語り方です。

【職務経歴書の違い⑦】管理職とプレイングマネージャーの違い

▼プレイヤー層は「やってきたことの積み重ね」で評価される

プレイヤー層の職務経歴書では、担当業務やできることを丁寧に並べるスタイルが基本です。
たとえば──

  • 受発注業務を担当
  • 営業資料の作成に従事
  • 新入社員のOJTを担当

このように「どんな仕事をやってきたか」を一つずつリストアップすることが、そのままスキルや経験の証明になります。
企業も、「この仕事は任せられそうか」という視点で見るため、実績を網羅的に示すのは非常に効果的です。

▼管理職層は「プレイングとマネジメントの線引き」が求められる

一方で、管理職層になると、ただ実績を並べるだけでは、評価にはつながりにくくなります。
よくあるのが、次のような記述:

  • 売上目標100%達成
  • 商談同行
  • 部下育成

──このように、プレイングとマネジメントの要素が混在してしまうと、「結局どっちの役割で成果を出したのか?」が曖昧になります。

マルキ

そこで大事なのが、「自分がどの立場で何をして、どんな成果につなげたのか」を明確に切り分けて見せることです。

▼職務経歴書では「役割ごとの成果」を分けて記載する

管理職層の職務経歴書では、下記のように「役割の違い」を明確にした構成が有効です。

  • 【プレイヤーとして】:営業成績を前年比120%で達成
  • 【マネージャーとして】:営業プロセスを可視化し、KPI改善施策を導入。チームの平均成約率が15%向上

このように分けることで、「実行力もあるが、仕組みで動かせる人」として、あなたの強みが際立ちます。
ただ経験がある人ではなく、「視座を持って、意図して成果を出せる人」へと、評価の目線が変わるはずです。

【職務経歴書の違い⑧】管理職は「キャリアのストーリー」VSプレイヤーは「時系列の積み上げ書く」

▼プレイヤーの経歴は、時系列で書けば伝わることが多い

プレイヤーの職務経歴書は、入社からの流れを順に書いていくことで自然と内容が整理されます。

「〇〇年に入社し、●●業務に従事。△△年に異動し、現在は□□を担当」

というように、経験を時間軸に沿って並べるだけで、「どんな環境で」「どのようにキャリアを積んできたか」がスムーズに伝わります。

業務範囲がある程度限定されていることもあり、「何をしてきたか」を時系列で記録すれば評価につながりやすいのです。

▼管理職の経歴は、複雑だからこそ「構造化」が命

一方、管理職になると、キャリアはより複雑になります。

  • 頻繁な異動
  • 複数部門の兼務
  • 特命プロジェクトの参加
  • 昇進に伴う役割変化

そのまま要約文に書いていくと、読みにくくなり、あなたの価値が伝わりにくくなります。

だからこそ、「構造化された職務経歴書」が求められます。

▼「役割ごと」に分けることで、あなたの意図が伝わる

たとえば、こんな整理の仕方があります。

  • 【事業部長時代】事業の方向性を決める役割
  • 【新規拠点立ち上げ】人材採用とオペレーション設計を担当
  • 【グループ横断PJ】業務効率化のためのシステム導入を推進

このように「役割ごと」「テーマごと」に整理することで、あなたが何を担い、どう影響を与えてきたかが明確になります。

構造化された職務経歴書は、読み手に“理解しやすい流れ”を提供し、忙しい面接官にも印象を残しやすくなります。

▼全体を俯瞰し、ストーリーと構造を両立させる

大切なのは、「全体をひと目で見渡せる構成」を意識すること。

  • どこにどんな力を発揮したのか
  • どの時期にどんな変化があったのか
  • 何を軸に動いてきたのか

その流れが“整っている”というだけで、「マネジメントができる人だな」という印象は強まります。

管理職のキャリアは豊かで、重層的で、複雑です。
だからこそ、ただ書くのではなく、「読みやすく設計すること」自体がマネジメント力の証明になるのです。

【職務経歴書の違い⑨】管理職は「数字で語れない」貢献こそ重要

▼プレイヤーの成果は「数字」が一番伝わりやすい

プレイヤーの方が成果を表現する時は、シンプルに数字を使えば、読み手に伝わります。

たとえば、

  • 売上120%達成
  • 顧客満足度90%以上維持
  • 年間で100件の問い合わせを処理

このように、数値を出すことで「何をやったか」「どれだけ貢献したか」が明確になります。
職務経歴書の読み手も、数字であれば客観的に判断しやすいので、高評価につながりやすいです。

▼管理職は「数字で語れない貢献」をどう見せるか

一方、管理職になると、自分の仕事が数字に直結しないことが増えます。

たとえば、

  • トラブルを未然に防いだ
  • 組織の雰囲気を変えた
  • 優秀な人材の離職を防いだ
  • 社内の複雑な調整を円滑に進めた

これらは明確な「成果」なのに、数字に表れにくい。
そして、ここに多くの管理職が悩みます。
「これって、どう書いたらいいんだろう…?」と。

▼「変化」や「信頼」を言語化するのが鍵

ポイントは、数値が出ないなら、“変化”を具体的に描くこと。

たとえば、

  • トラブル対応により「月1件あったクレームが半年間ゼロに」
  • 離職率が高かった部署で「3年連続で定着率95%」
  • 異なる部門間の対立を解消し「共同プロジェクトが円滑に稼働」

定量と定性をバランスよく、“変化の前後”で語ることが、管理職の職務経歴書では効果的です。

▼数字で語れない強みは印象に残る

多くの管理職が、いわゆる「火消し役」としての役割を担っています。

  • 現場で起きた問題を収束させる
  • モチベーションの低下を察知し、声かけや配置転換で改善
  • チームがバラバラだった状況から、一体感ある組織へ変化させる

こういった、“目に見えにくい成果”こそ、あなたにしか書けない職務経歴です。

「この仕事、誰にも評価されないんだよな…」
「裏方だから成果って言えないよね…」

そう思っていた経験も、書き方次第でちゃんと価値になる。

あなたの「数字で表せない実績」こそ、管理職の本質です。
だからこそ、それを“言葉”にして届けましょう。
職務経歴書は、自分の真価を「見える化」するツールなのです。

【職務経歴書の違い⑩】管理職には「経営者視点」が必要

▼管理職は「現場の最適化」だけでは足りない

プレイヤーの方は、与えられた役割や目標を、確実にこなすことが期待されます。
「この業務を〇件やってください」「この工程を〇日以内に終わらせてください」──
そういった“範囲のある仕事”を、いかに正確に遂行するかが評価基準になります。

でも、管理職は違います。

目の前の業務だけでなく、
「そもそもこの仕組みでいいのか?」
「今の体制が半年後にも通用するのか?」

そんな風に、“上の視点”から物事を見て、仕組みそのものを再設計していく役割が求められるのです。

▼職務経歴書にも「経営目線」をにじませる

でも、「経営目線」といっても、経営者のような派手な言葉を並べればいいわけではありません。

大切なのは、こうした視点を持って仕事に取り組んでいたことを、
言葉の端々から伝えることです。

たとえば:

  • 「事業方針に基づいて部門目標を再設計」
  • 「中長期視点での人材育成計画を策定」
  • 「全社のコスト構造を見直し、部署単位での予算管理体制を導入」

こういったフレーズには、“プレイヤー”とは異なる“設計者”としての視点がにじんでいます。

▼「数字」ではなく「意識の高さ」で伝わることがある

経営視点は、単に売上や利益を追うことではありません。

  • 市場全体を見て、部門の方向性を変える判断
  • 他部門の予算や人員と調整し、全体最適を目指す取り組み
  • 新規事業やプロジェクトにおいて、失敗リスクを最小限にする工夫

こうした“全体の最適化”に向けたアクションは、たとえ数値が伴っていなくても、
「経営を意識している」ことが読み手に伝わります。

▼その目線は、どこに行っても武器になる

転職活動において、管理職に求められるのは「経営者の右腕になれるかどうか」。
つまり、“任せられる人かどうか”です。

もし、今まで経営層との距離が近かった方なら、その経験は大きな武器になります。
逆に、そこまで経営に関わってこなかったとしても──
「経営を意識しながら仕事をしてきた」という姿勢が伝われば、それは十分な評価対象です。

だからこそ、
「私は経営まで意識して、チームと組織を見てきました」
というメッセージを、職務経歴書の行間からにじませてください。

あなたの視点は、きっと伝わります。
あなたのその目線を、待っている企業が必ずあります。

おわりに|あなたの“役割の変化”を、言葉にして伝えよう

職務経歴書は、ただ「何をしてきたか」を並べるだけの書類ではありません。

プレイヤー層であれば、経験やスキル、数字で表せる成果が、そのまま強みになります。
けれど管理職になると、それだけでは足りなくなります。

求められるのは、「チームをどう動かしたか」「仕組みをどう作ったか」「何を軸にして動いてきたか」。
つまり、自分自身の“視座の変化”を言語化することが求められるのです。

このブログでお伝えしてきたのは、まさにその違いでした。

  • プレイヤーは「自分がやったこと」を語る
  • 管理職は「人や仕組みをどう動かしたか」「どんな未来をつくろうとしたか」を語る

職務経歴書に、あなたの“未来へのスタンス”がにじみ出ていれば、
それはきっと、読み手の心を動かします。

あなたが「どんな役割を担ってきた人なのか」
そして「これからどんな組織に貢献しようとしているのか」

その姿勢こそが、次のチャンスを引き寄せてくれるはずです。

管理職とプレイヤー層の職務経歴書|10の違い一覧

項目管理職層プレイヤー層
① 成果・実績の結果自分で動くのではなく、チームを通じて得た成果自分自身の成果
② 成果・実績の達成方法多様な人材を活かし、役割を最適化して得た成果自分の業務領域を確実にこなし得た成果
③ 組織での役割言葉や信頼で人を動かした実績(共感・巻き込み)上司や指示系統に従って動いて得た実績
④ 組織での動き方部門や組織の壁を超えて連携・調整した実績所属部門内のメンバーを支援、フォローして得た実績
⑤ 数字の扱い方経営者視点で、利益・コスト・企業全体の数字自部署や担当の成果
⑥ 適応力とルーチン新しい環境でも成果を出せる、変化に強い職種内の範囲の変化に強みを持つ、ルーチンワークへの強みも必要
⑦ 専門性と正確性業界や分野に精通し、人を育てられる職域内の専門性の深さと、作業の正確性が評価されることが多い
⑧ 成果と報酬の理解企業の成果が自身の評価・給与に直結自身の目標達成が評価・給与に直結
⑨ 行動の視点「組織全体」「社会や業界」に貢献する視点所属している「チーム」への視点
⑩ 判断軸全体最適・長期視点で意思決定する短期的・現場目線での実行判断が中心

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