Q.AIが職務経歴書を選んでいるって、本当ですか?
気をつけることがあれば教えてください。(事務・40代・女性)
A.本当です。多くの企業では、人間が読む前にAIが職務経歴書を選別しています。
このAIシステムを「ATS(Applicant Tracking System=採用管理システム)」と呼びます。
もしあなたが、
「ちゃんと書いたのに、なぜか書類で落ちる」
「何度送っても、返事が来ない」
という事が多いようであれば、
落ちている原因は、ATSに対応していない書き方になっているせいかもしれません。
ATSに読まれることを意識した書き方に変えるだけで、通過率は変わる可能性がありますよ。
まず、あなたの書類を下記のチェックリストで確認してみてください。
AI時代の職務経歴書チェックリスト|通過する書類の7つの条件
まずは、あなたの職務経歴書、今すぐ確認してみてください。
▼AI時代の職務経歴書|通過しやすい7つの条件
☑ 経歴ではなく、スキルが書けているか?
☑ 結果だけでなく、変化が書けているか?
☑ 「Office」だけでなく、AIスキルも書けているか?
☑ 実績が、書類の段階で伝わるか?
☑ 求人票のキーワードが自然に盛り込めているか?
☑ 冒頭で強みが伝わるようになっているか?
☑ ATSにも読みやすい形式になっているか?
チェックが少ない方も、大丈夫です。
この後、7つのポイントをひとつずつ解説します。
AI・ATSに通る職務経歴書の書き方|今までと変わった7つのポイント
「今まで通りの書き方じゃ、ダメなんですか?」
チェックリストを見て、こう思った方もいるかもしれません。
以前は、職務経歴書を最初に読むのは人間でした。
今は、多くの企業でATS(AI)が先に読みます。
ATSを通過してはじめて、人間の目に届く。
だから、書き方も変わる必要があります。
大きくポイントは7つあります。
この記事では、この7つのポイントを解説します。
順番に見ていきましょう。
1. 職務経歴書はスキルベースで書く|「経験した」より「解決した」を書く
「営業事務を5年間経験しました」
「データ入力・書類管理を担当していました」
よくある職務経歴書に、こんな書き方があります。
間違いではありません。
でも、これは「履歴」です。
これでは足りません。
採用担当者が知りたいのは、
「この人は、何を解決できる人なのか」です。
■ 履歴とスキルの違い
採用担当者が読みたいのは「何をしていたか」ではなく「何ができるか」です。
ここで言う「履歴」とは、過去にやってきたことの記録です。
「スキル」とは、その経験を通じて何を解決できるかを示したものです。
同じ経験でも、書き方一つで伝わり方がまったく変わります。
【履歴】〇〇を経験した
→ 伝わること:何をしていたか
→ 採用側の印象:ふーん
【スキル】〇〇を担当し、〇〇という課題を解決した
→ 伝わること:何ができる人か
→ 採用側の印象:この人、使えそう
実際の書き方で比べてみましょう。
▼ Before / After
Before
「営業事務を5年間担当しました」
After
「営業事務を5年間担当し、見積書の処理ミスをゼロにする仕組みをつくりました」
経験の長さより、何を解決したかが伝わる書き方。
それがスキルベースの職務経歴書です。
2. 職務経歴書の実績は数字で書く|「担当しました」では伝わらない理由
「売上アップに貢献しました」
「業務効率化に取り組みました」
「チームをまとめました」
こんな書き方、していませんか。
どれも、悪くはありません。
でも、これだけでは採用担当者の頭に何も残りません。
なぜなら、全員が同じことを書いているからです。
■ 数字が入ると、何が変わるのか
数字は、嘘をつきません。
そして、読んだ瞬間に場面が浮かびます。
例:【営業】
数字なし:売上アップに貢献した
数字あり:月間売上を3ヶ月で120%に改善した
例:【事務】
数字なし:業務効率化に取り組んだ
数字あり:書類処理時間を週4時間から1時間に短縮した
例:【管理職】
数字なし:チームをまとめた
数字あり:5名のチームをまとめ、離職率をゼロにした
■ 数字が思い浮かばないときは
「そんな大きな数字、自分にはない」
そう感じる方も多いです。
大きな数字でなくていいです。
変化が伝わればいい。
▼営業じゃなくても大丈夫|数字化しやすい業務一覧
・件数
・時間
・割合
・人数
・頻度
この5つのどれかで、ほとんどの経験は数字に変換できます。
3. 職務経歴書にAI活用経験を書く|PCスキルはOfficeだけじゃない
「Word・Excel・PowerPoint使用可」
こんなスキル欄、まだ書いていませんか。
10年前なら、差別化になりました。
今は、ほぼ全員が書いています。
採用担当者の目には、もうほとんど届いていません。
■ 今、差別化になるのはAI活用経験|例文あり
ChatGPTやClaudeなどのAIツールを
仕事でどう使ったかが書けると、一気に印象が変わります。下記は事例です。
▼AI活用をアピールできる例文
【事務・書類作成】
ChatGPTで定型文を作成し、作業時間を半分に短縮
【営業サポート】
議事録の作成をAIで自動化し、抜け漏れをゼロに
【企画・資料作成】
AIで情報整理を行い、提案資料の作成時間を削減
【管理職】
AIで週次レポートのたたき台を作成し、確認業務を効率化
■ 「AIを使ったことがない」という方へ
使い始めるなら、今日からで間に合います。
転職活動中に使い始めて、
その経験自体を職務経歴書に書くこともできます。
「転職活動の効率化にAIを活用した」
それだけでも、前向きな姿勢として伝わります。
4. 実績を具体的に書く|実績が、書類の段階で伝わるか
「会ってみたい」と思わせることが大事?
それは、昔の話です。
今の採用担当者は、書類を読みながら
「この人に会う時間があるか」を判断しています。
会いたいと思わせる前に、
そもそも面接に呼ばれなければ意味がない。
だから、実績は書類の段階で伝える必要があります。
■ リンク・URLも活用できる
職務経歴書に入り切らない実績や成果物はリンクを貼っておくという手もあります。
特にメディアに取り上げられた経験がある人には有効な手段です。
▼リンク・URLを追記する事例
【事務・企画】作成した資料・改善提案書
【営業・マーケター】実績をまとめたポートフォリオ
【ライター・デザイナー】記事・作品・制作物
【IT・エンジニア】GitHub・開発物
【管理職】研修資料・業務フロー図
■ リンクを貼るときの注意点
・見せるものは厳選する。多すぎると逆効果
・リンク先が整理されているか確認する
・個人情報・社外秘が含まれていないか確認する
書類で伝えられることは、書類で伝える。
それが、面接に呼ばれる書類との差です。
5. キーワードを盛り込む|求人票のキーワードが自然に盛り込めているか
職務経歴書を書くとき、求人票と言葉をあわせていますか?
多くの方が、自分の経歴を書くことに集中するあまり
応募先の言葉を使っていません。
これは、もったいない。
ATSは、求人票と職務経歴書の言葉を照合しています。
キーワードが一致しないと、
人間の目に届く前に弾かれる可能性があります。
■ キーワードの盛り込み方|ATS・AI対策
キーワードはただ並べるだけでは逆効果です。
自分の経験の文脈の中に、言い換えなどを行い自然に入れることが大事です。
また、ズバリその言葉を使わなくても大丈夫です。
近い意味の言葉に言い換えても、ATSは関連キーワードとして認識します。
「コミュニケーション力」なら「調整」「連携」「折衝」なども有効です。
事例を紹介いたします。
▼キーワードの盛り込み事例
【業務改善】
悪い例:スキル欄に「業務改善」と記載
良い例:「受注業務のフローを見直し、業務改善に取り組みました」
【コミュニケーション力】
悪い例:「コミュニケーション力あり」
良い例:「他部署との調整役として、週次ミーティングを主導しました」
【マルチタスク】
悪い例:「マルチタスク得意」
良い例:「複数案件を同時に管理し、納期遅延ゼロを維持しました」
■ やってはいけないこと
キーワードを詰め込みすぎると、
不自然な文章になり、人間が読んだときに違和感が出ます。
ATSに通り、人間にも読まれる。
その両立を意識して盛り込んでください。
6. 強みの言語化|何ができる人か、サマリーを加える
「で、この人は何ができる人なの?」
を面接官とAIに探させてはいけません。
読んだ瞬間に伝わる書類が、通過する書類です。
そのために有効なのが、各職歴の冒頭にサマリーを入れる方法です。 サマリーとは、その職歴で「何を担当し、何を解決したか」を 1〜2行にまとめた要約文のことです。
時系列の読みやすさはそのままに、 各職歴の入口で「この人が何をした人か」が一目でわかるようになります。
7. AIにも読みやすく|人にもATSにも読み取れる形式にする
せっかく内容が良くても、
ATSに読み取れない形式で提出すると意味がありません。
特にデザインをこるあまりに画像化したり、オリジナルの表にしたりすると上手くAIに読み取られない可能性が高まります。
■ AI・ATSが読み取れない形式とは?
・画像化されたPDF → テキストとして認識されない
・装飾が多すぎるデザイン → 項目の区別ができなくなる
・表組みだらけの構成 → データが正しく読み取れない場合がある
・独自フォントの多用 → 文字化けする可能性がある
■ AI・ATSにも人にも読まれる形式とは?
・テキストとして読み取れるPDF
・シンプルな見出し構成
・標準的なフォント
・余白があり、視覚的に読みやすい
デザインより、構造。
見た目より、読み取れるか。
が重要。
それがAI時代の職務経歴書に求められる形式です。
内容が良くて、形式も整っている。
はじめて、ATSを通過して人間の目に届きます。
AI時代に職務経歴書の書き方が変わった理由|転職市場で起きていること
「今まで通りで何がいけないの?」
そう思う方もいると思います。
いけなくはありません。
ただ、転職市場では静かに、しかし確実に
変化が起きています。
■ 理由1:応募数が増えた
インターネットで簡単に応募できるようになり、
一つの求人に集まる応募数が増えました。
採用担当者が一枚一枚、丁寧に読む時間はありません。
だから、ATSで絞る企業が増えた。
■ 理由2:ATSを導入する企業が増えた
大企業だけの話ではありません。
中小企業でも、ATSを導入するコストが下がり
採用にAIを使う企業は年々増えています。
■ 理由3:求められるスキルが変わった
AIの普及で、仕事の中身が変わりました。
「Officeが使えます」は当たり前になり、
「AIで業務を改善した経験」が差別化になる時代になった。
職務経歴書に書くべき内容も、当然変わります。
書き方が変わったのは、
ルールが変わったのではありません。
読み手と、求められる人材が変わったからです。
職務経歴書を読むAI・ATSとは何か|最初の選考を突破するために知っておくこと
この記事を通じて、何度もATSという言葉が出てきました。
最後に、ATSとは何かを整理します。
■ ATSとは何か?
ATS(Applicant Tracking System)は、
日本語で「採用管理システム」と呼ばれます。
応募者の情報を管理し、
職務経歴書を自動でスクリーニングするシステムです。
大手企業の多くがすでに導入しており、
中小企業への普及も年々進んでいます。
■ ATSは何を見ているのか?
・キーワード:求人票と職務経歴書の言葉が一致しているか
・形式:テキストとして正しく読み取れるか
・構成:必要な項目が揃っているか
■ それでも最後に決めるのは人間
ATSはあくまでフィルターです。
通過した書類を読み、
面接に呼ぶかどうかを決めるのは人間です。
だからこそ、この記事で紹介した7つのポイントが大事になります。
ATSに読まれ、人間に選ばれる。
その両方を意識した職務経歴書が、今の時代に通る書類です。
まとめ|読み手が変わったから、書き方を変える
職務経歴書の書き方が変わった理由は、シンプルです。
最初に読む相手が、変わったからです。
今日確認した7つのポイントをおさらいします。
▼AI時代に職務経歴書に必要なこと
☑ 経歴ではなく、スキルが書けているか?
☑ 結果だけでなく、変化が書けているか?
☑ 「Office」だけでなく、AIスキルも書けているか?
☑ 実績が、書類の段階で伝わるか?
☑ 求人票のキーワードが自然に盛り込めているか?
☑ 冒頭で強みが伝わるようになっているか?
☑ ATSにも読みやすい形式になっているか?
全部を一度に直す必要はありません。
まず1つ、今日の書類を見直してみてください。
それだけで、書類の印象は変わります。
「7つ全部、自分の書類に反映するのは大変…」と感じた方へ
スキルベースへの書き換え、数字化、キーワードの自然な盛り込み、ATS対応の形式…。 ポイントは分かっても、全部をひとりで両立させるのは、正直かなりの作業量です。
しかも、ここに落とし穴があります。
AIに丸投げして作った書類は、ATSは通っても「人間」に見抜かれます。 どこかで見たような言葉が並ぶ書類を、面接官は毎日大量に読んでいるからです。
「ATSに読まれ、人間に選ばれる」を両立するには、あなた自身の経験と言葉を、ATSが認識できる構造に整える必要があります。
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